契約前の最後の確認
申し込みをして審査に通ったらいよいよ契約ですが、契約の直前に忘れてはいけないのが重要事項説明書の確認です。宅地建物取引主任者(宅建主任者)が借りる物件と契約の内容について説明してくれるのできちんと聞いておきましょう。
新居も決まってはやる気持ちの中でのよくわからない説明にサラッと流してしまいたくなりますが、重要事項説明書はとても大切なポイントなので、忘れないようにしておきたいです。
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「重要事項説明がない」はありえない
宅建主任者は顔写真入りの主任者証(免許証)を最初に見せて重要事項を説明をするのが義務なので、必ず説明があります。あまり気にしなくていいように感じるかもしれませんが、「主任者がいないから説明できない」とか「主任者証忘れたので今日はなしで」とかはありえません。
そもそも重要事項説明書は不動産の知識に乏しい借主や買主が、プロの貸主、売主からうまいこと言われて欠陥住宅をつかまされたりしないために契約前に書面で説明するものです。説明も有資格者である宅建主任者しかできません。
契約前に物件の情報や契約内容に関して説明するのは、「内容に納得して契約してもらえるか?」という意味で、重要事項説明書は判断材料です。説明を受けたら「説明をうけた確認の署名」が必要なので、説明は必ず受けるようにして理解できない点は質問して疑問を解消してから本契約にすすみます。
説明がない場合
もしも契約前に重要事項説明がなかったら、たとえ部屋が決まっていても業者探しからやり直すべきです。わたしも宅建主任者の資格をもっているのでハッキリいえますが、故意に説明しないのは論外、忘れた場合でもズサンと言わざるをえません。
「部屋を借りる時の説明くらいで・・」という認識もあるかもしれませんが、たとえばこれが賃貸ではなく何千万という家や土地の売買契約だったとイメージしてみてください。
「とてつもない欠陥がある事実を説明されずに何千万もの家を買うリスクがある」と考えると、重要事項説明書の大切さが想像しやすいのではないでしょうか。
賃貸で金額が安いからOKという問題でもないので、故意であれ過失であれ、重要事項説明をしない業者を頼るべきではありません。
借り手であるわたしたちも知らないことを丸投げにせず、知識をもつのが大切です。
重要事項説明書の確認ポイント
重要事項説明書には色々なことが書かれているため、何をみればいいかわかりにくいです。賃貸契約をする時におさえておきたいポイントのみをまとめます。
1、各種費用の確認
敷金や礼金、家賃、共益費といった金額をチェックします。下見や申し込みの段階で金額が決まっているので、その通りになっているかが大切です。
2、建物(室内)の設備
物件の設備として認められるものを確認します。たとえば、エアコンやガスコンロです。これらが設備になっていない場合は、故障時の修理費用を負担しないといけなくなります。設備になっていると管理会社や大家さんが修理費用を負担してくれます。
3、契約期間の更新
賃貸借契約は通常2年で更新になるので、その点を確認します。普通賃貸借契約なら2年たっても住み続けたいなら引き続き契約可能です。
4、契約終了時の金銭の精算方法
退去する時の未払い家賃や敷金の精算方法に関する取り決めを確認します。
5、管理人の住所氏名
建物の管理人さんの名前や住所、連絡先はこの時点で確認しておくと何かあった時に連絡しやすいです。
重要事項の説明は契約の直前におこなわれるため契約書と勘違いしやすいですが、まったく別物になります。契約書の内容確認もあわせて必須なので注意です。
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